特定医療法人 自由会 こうなん訪問看護ステーション

ご挨拶

松井 清美ステーション管理者 

Matsui Kiyomi

看護師

こうなん訪問看護ステーションは、平成4年に開設し岡山市の南地域を中心に活動してまいりました。周囲にはのどかな田園風景が広がり、季節ごとに移り変わる景色を楽しみながら日々訪問看護を行っています。平成12年には介護保険制度が始まり、訪問看護のかたちも変わってきました。当ステーションでは、より専門的なサービスが行えるように平成21年からリハビリスタッフを配置し、看護とリハビリテーションとの両面で在宅生活をサポートしています。訪問看護の仕事をしていると多くの人との出会いがあります。利用者やそのご家族、そして医療、介護に関わる人たち。それぞれ考え方や価値観が違い、話を伺っているとついつい時間を忘れてしまいます。特に人生の先輩方には教わることが沢山あり、訪問看護をしながら我々も勉強させていただいています。時には悲しい別れもあります。しかし住み慣れた地域、思い出が詰まった自宅で家族やペットに囲まれて、自分らしい人生の最後を迎えられるようお手伝いすることも我々の使命だと思っています。

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今後、団塊の世代が75歳以上となる2025年に備えて、病院中心の医療形態を見直し、「時々入院、ほぼ在宅」の医療に向けた改革が行われ、在宅医療が今以上に必要とされてきます。それに伴い、訪問看護の需要は益々増えていくと予測されます。また訪問看護の役割も変化してきています。重症化の予防や医療依存度の高い人の受け入れ、在宅での看取りなどが挙げられます。それには少しの変化にも気付くことができる観察力や異常を見分ける判断力、医療知識、そして調整力や人に寄り添える人間性が求められます。また、より良い訪問看護を提供するために、スタッフ自身がやりがいをもって働ける職場環境も大切だと思います。訪問看護は病気だけではなく、家族も含めたその人自身を看るようにしています。それ故に、ついつい感情移入しすぎたり、家族間のトラブルに巻き込まれたりして精神的に疲れてしまうこともあります。そんな時、ひとりで抱え込んで潰れてしまわないように力になってくれるのは一緒に訪問看護をしている仲間たちです。お互い気軽に相談し合える関係を継続していきたいと思います。新しいスタッフも増え一段とパワーアップ致しました。当ステーションはこれからも皆様のお役に立てるよう邁進してまいります。

原田 幹晴リハビリ部門主任

Harada Mikiharu

理学療法士

当事業所の訪問リハビリサービスを開始してから約8年となりました。同法人の岡山光南病院・回復期病棟を退院された後のフォローとして、また2025年問題と称される超高齢化社会に向けた備えとして、在宅サービスに一早く取り組んで参りました。以降、実際に利用されている対象者の層は幅広いものとなっています。小児〜高齢者、医療保険に介護保険、病院を退院直後の方や、自宅、施設での生活の中で心身機能の低下を来した方など、非常に多岐にわたっています。

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訪問リハビリは、何か特別なもののように思われる方もいらっしゃるかもしれません。主として心身に障害を来した方を対象とし、行いにくくなった基本的動作・日常生活動作を取り戻す為、理学療法・作業療法を実施することを言います。一般的に言われるリハビリと大きく違うのは、実施する場所においてで、治療目的や手段は同じです。自宅や一部施設の「実生活の場」で確認しながら行える点が大きな特徴となります。

依頼内容で多いのは、「家で動きにくくなって、〜が出来ない」というケースです。〜とは、排泄、食事、入浴、更衣、歩けない、起きれない、座れないといった動作群です。重要と考えるのは、これら動作が出来ない原因です。病気の進行や、後遺症、栄養不良、服薬コントロール、身体が硬い、痛い、動かないことでの能力低下や、反対に動きすぎでの疲労、動く気にならないといったモチベーション低下など多様です。全身状態については、主治医、看護師との連携、環境面での整えが必要な場合は福祉用具事業者との連携、ケアマネージャー、病院のソーシャルワーカーとプランの相談。患者様を中心とした専門家が集まり、チームでリハビリテーションを提供しています。

終末期、呼吸器疾患、神経難病と、全身状態の管理がよりシビアな利用者様が増えてきました。満足いただける結果を残すため、サービスの更なる「質・量」の向上に取り組んでいます。患者様の主担当はいますが、1人で問題を抱えるのではなく、複数の視点でチームとして問題を解決するチーム制を取り入れました。1チーム5名単位とし地域エリア別に配置、毎年、病院で経験を積んだセラピストを中心に人員拡大し、現在10名。今後のニーズ拡大に合わせた人員増員時にもこのチーム制で、「質と量」の担保を図ります。医療により強く対応できる訪問リハビリを目指しています。

私には、もっともやりがいを感じる瞬間があります。長い経過の中あきらめてしまって元気をなくされた方が、私たちの治療で即時に改善したり、出来なかったことが出来るようになり、もう一度何かをやってみようという気持ちが生まれた時です。皆さんの生活のきっかけ作りになれるよう、医療人として研鑽してまいります。